基本方針

2025年度 理事長 児玉 久佳

Smile for the future

~若狭の人々へ届け!!JCが笑顔に変える~

はじめに

私たち若狭青年会議所は、1971年の発足以来、「明るい豊かな社会の実現」を目指し活動して来ました。私たちが活動する若狭地域は、若狭湾に面した美しい自然と多様な文化が調和し多くの魅力を有した地域です。そしてこれらを次世代に引き継ぐために守り育ててこられた先人達がいます。これまで若狭青年会議所の先輩諸兄姉が半世紀以上にわたり行ってきた活動の中で「若狭にひかりを」や「白い砂浜運動」「マリンピア」「町屋deフェスタ」など数多くの事業を実施しており、地域の人々に良い影響と気づきを与え、共に笑顔になり若狭地域との絆を育んできました。今も「ひとづくりこそ、くにづくり」の理念のもと継続する「新順造館」や2024年3月16日には、北陸新幹線が敦賀まで開業し、「若狭にひかりを」と声を上げた先輩諸兄姉の活動が達成されようとしていることに誇りを感じます。
 2025年は、私たち若狭青年会議所が創立55周年を迎える特別な年でもあります。節目の年にこれまでの活動を改めてしっかりと振り返り、我々の現在の立ち位置を認識し、未来に向けた新たな挑戦を進めていかなくてはなりません。私たちは「明るい豊かな若狭」の為にこれまでも地域に根差した活動を展開し、多くの地域住民やパートナーと共に歩んできました。その中で築かれた絆や信頼を更に強固なものにし、地域全体が笑顔で溢れる場所になる活動が必要です。
 私は、幼少期よく笑う子どもでした。父の仕事で3度の引越しを経験しましたが、持ち前の笑顔と好奇心でどの土地でもすぐに地域に溶け込むことが出来たのだと思います。自然と周りには人が集まり常に笑顔でいる私は、どこのまちでも私が転入生だと言うとよく驚かれたことを覚えています。私は笑顔の力を知っています。そして私たち青年会議所の活動は全て笑顔に繋がると考えます。初めての例会や委員会で不安な時に声を掛けてもらった時の安心感、真剣に取り組んだ活動で得られる満足感、厳しい先輩に良くやったと言われた時の達成感や、自分の成長を実感した時の笑顔は、活動を通じて地域に伝播します。笑顔は、人々の心を繋ぎ、互いの理解と信頼を深める大きな力を持っています。私たちの活動で地域の方々が笑顔に満ち、希望に溢れた未来を感じられるよう、私たちは学び成長し、地域に貢献できる存在として邁進していきましょう。

成長と理念共感

 全国的に人口減少が深刻化し、私たちが住み暮らす若狭地域もその例外ではありません。人口減少が進む中で、若狭地域の活力を維持し、未来を見据えた活動がますます重要になってきています。私たち若狭青年会議所は青年のリーダーシップの開発と成長の機会を提供することを使命としており、青年が地域社会に貢献できる力を身につけることが地域全体の発展に繋がると信じています。この使命が指す青年とは、JCメンバーだけで無く全ての人を対象としていることを私たちは忘れてはいけません。人口減少により今まであった地域での集まりは規模が縮小する一方で、小規模なコミュニティや趣味などの活動グループは増加し多様な集まりが存在します。その様な集まりが増えた分、それだけの数のリーダーが必要とされているのではないでしょうか。各々が活躍する場所でリーダーシップを発揮し共に成長することが出来れば、今以上に地域全体の発展に繋がるのではないかと考えます。地域に住み暮らし未来のために自ら行動できるリーダーを増やすためには、地域の青年たちに青年会議所が持つ成長の機会を提供し、共感の輪を広げ、共に成長することが必要です。若狭青年会議所の活動や理念をSNSや広報誌などで発信していくことはもとより、直接的な交流を通じて、メンバーが持つ魅力を肌で感じていただくことで、より効果的に若狭青年会議所の魅力を伝えることができます。私たちの活動において会員拡大はもちろん大切な活動です。しかし、会員を増やすというだけに囚われず、地域のリーダーを増やすという視点も忘れてはいけません。JCのみならず、様々なリーダーによる地域のコミュニティと作る新たなネットワークは、若狭地域の一体感を高めるだけでなく、今まで以上の協力体制が構築され、笑顔の伝播に繋がります。
 また、地域の課題を解決していくには、他団体との連携も重要です。私も青年会議所以外の団体に所属しています。そこには私たちと同じように地元が好きで、今よりもっと地元を良くしたいと活動する青年たちがいますが、その多くの団体は市や町単位と活動範囲が限定されています。しかも、その他団体もメンバー数の減少という私たちと同じ問題を抱えています。ですが、同じ地域で活動する私たちが連携し同じ課題に向き合うことができれば地域に2倍3倍の効果を与えることが出来るのではないでしょうか。だからこそ、若狭4市町を活動エリアとしている若狭青年会議所が先頭になってリーダーシップを発揮し発展と成長の機会の場を設け、共に地域課題に取り組み互いの長所を活かした活動を行うきっかけを作ることが必要です。
 人は、何かに貢献することや、達成感や成長を感じた時にも笑顔になります。私たちの使命であるリーダーシップの開発と発信を通じて、地域に笑顔と成長の機会を提供し、明るい豊かな若狭を共に築いていきましょう。

創立55周年を迎える

本年、(一社)若狭青年会議所は創立55周年という節目の年を迎えます。1971年に若狭青年会議所の前身である小浜青年会議所の意気溢れる6名の青年達が発起し73人の仲間と共に明るい豊かな若狭を夢見て、この若狭の地に誕生しました。青年会議所メンバーとして活動できる期間は20歳から40歳までと有限であり、その時々の青年が限られた時間の中で常に移り変わる時代の変化に対応しながらも、青年としての英知と勇気と情熱をもってより良い若狭のために地域に根差した活動を続けてこられ、「修練」「奉仕」「友情」の先にある個人の成長を伝え、地域や人びとの笑顔を繋ぎ続けてくださったからこそ今の私たちがあります。
 そんな私たちが活動していく時に忘れてはいけないのが「明るい豊かな若狭」です。日本青年会議所が1951年に誕生して74年。その想いは伝播し各地で多くのLOMが誕生し活動を続けています。「明るい豊かな社会」は私たち青年会議所にとって不変のテーマです。しかし、この不変のテーマも時代の流れによって解釈が変わり、これまでJC宣言は4度の改正を行ってきました。2020年、若狭青年会議所も規範を改正し今の形となりました。時代の変化が早い昨今において、変わらないために変わり続けることを常に意識し、時代に即した活動をしていかなくてはいけません。そのためにも、これまでの会の歴史や伝統を理解することが大変重要になってきます。
 周年というこの機会にメンバー全員で、これまでの54年という歴史の中で受け継がれてきた先輩諸兄姉の想いや活動を知り、私たちが託された若狭青年会議所とは何なのかを再認識し行動を起こし続けることで、若狭青年会議所への誇りが芽生えます。そこから生まれた誇りを胸に、この先も私たちは常に「明るい豊かな若狭」に必要なものを模索し続ける必要があります。そんな私たちは行動をもって先輩諸兄姉に「今のメンバーなら大丈夫」と安心感を持っていただかなくてはいけません。そしてこれまでの活動にご理解とご協力いただいた各市町の首長様や行政の皆様に感謝の意と、県内外の仲間たちや新しく姉妹JCとなった、(一社)豊岡青年会議所や友好JCである(公社)吹田青年会議所の仲間たちに、我々が描く、未来のVISIONを発信し、更なる共感をいただき共に歩みを進めることが大切です。
 若狭青年会議所メンバー全員が、この機会をチャンスと捉え自らの手で掴み行動し、一丸となり取り組むことで会への理解が深まり感謝の気持ちが共有され、今後の方向性を一人ひとりが今の自分に何が出来るかを考え行動する原動力になります。55周年が自分たちの成長の機会だけでなく、地域の発展のためにも大切なものと捉えることで明るい豊かな若狭を未来に繋いでいきましょう。

未来のリーダーと見据える明るい若狭

 社会の課題を見つけ出しそれを解決することを全力で行う我々ですら5年後の未来を言い当てることは困難です。ましてや10年、20年後の未来となると社会構造や技術の進歩により想像もつかないような変化をしているでしょう。目まぐるしく変化する社会の中で活動する私たちが「明るい豊かな社会」を考える時、欠かしてはいけないのがこれからの明るい豊かな社会を担う子ども達の存在です。未来を担う青少年の育成は地域の発展を願い活動する私たちの重要な課題の一つです。現代の子ども達はインターネット利用が当たり前になり幼少期より多くの情報に触れ成長しています。中高生の将来なりたい職業ランキングの上位にはYouTuberという新しい職業がランクインし、通学用の制服は男女問わずズボンとスカートが選択できるなど我々の時代には無かった多様な選択肢と価値観を持っています。そんな今の子ども達は感覚的に学びとる間接体験や、シミュレーションなどを通じて学ぶ擬似体験の機会が圧倒的に多くなっている反面、ヒトやモノ、実社会に実際に触れ直接関わり合う直接体験が不足しているのが現状です。体験活動などを多く経験している子どもは社交的で自己肯定感を持つことができ、その後の成長に良い影響が見られると文部科学省の調査にもあるように、子ども達には様々な事を体験する機会が必要です。子ども達は体験の中で、感動したり、驚いたり、時には失敗しながら「なぜ、どうして」と考えることで成長し、主体的に「やってみよう」と意欲を持ちます。私たちがサポートし共に活動することで地域に対するポジティブな感情が芽生え、子ども達の「やってみよう」を引き出し主体性が育まれることで、この若狭の未来に多様な価値観を持った新しいリーダーが誕生し、変化していく社会の中でこれからの若狭の発展により良い影響を与えると私は考えます。
 これまで数多くの青少年を対象とした事業を行ってきた私たちですが、私たちにない子ども達がもつこれからの価値観を知り今までの価値観だけでなく、子ども達の興味や関心のある物事を理解することで私たちにも新たな発見があり、今まで以上に魅力ある体験を提供できるでしょう。

「子供は社会を映す鏡」

 子ども達が豊かな人間性を育むためには、まず私たち大人が子ども達にどう映るか、自らの行動を子ども達の視点に立って改善する必要があります。青少年期は多感で多くのことを吸収します、時には失敗し葛藤しながら成長します。手本となる大人が、新しい価値観にアップデートすることは大切です。ただそれだけでなく子どもたちの小さな声に耳を傾け正しく導くことが更に重要となってきます。これからの若狭を担う大切な子ども達の笑顔を未来に繋げていきましょう。

最後に

 「若狭JCが好き」それは今の私の想いです。共に活動するメンバーにも、そして私たちが住み暮らす若狭地域の人たちにも我々若狭青年会議所を好きになって欲しいと強く願っています。

「笑顔は誰の心にでも合う鍵です」

笑顔は他者との絆を築き、心の壁を取り除いてくれます。私たちの活動はすべて笑顔に繋がります。楽しい時や嬉しい時だけでなく、自己の成長を感じられた時、事業を達成した時、先輩やメンバーに認めてもらった時や感謝された時、仲間がいると安心した時、あげればキリがありません。そして笑顔は伝播しやすく誰かの笑顔に触れると自然に自分も笑顔になる力を持っています。私たちが真剣に会務を行う姿は、必ず誰かの笑顔に繋がります。
 創立55年という歴史ある若狭青年会議所に誇りを持ち、先輩諸兄姉から託された現役メンバーとして共に若狭に笑顔を広げていきましょう。

運営方針

 「会員開発・拡大委員会」「55周年実行委員会」「青少年育成委員会」「総務局」の1局3委員会を設置し運営します。

「会員開発・拡大委員会」

 会員と会の成長だけでなく、笑顔をもって我々の活動を地域に発信し新たな仲間と繋がる活動を行います。卒業される先輩が笑顔で旅立ち、これからも私たちとの絆が深まるように盛大に卒業式を執り行います。

「55周年実行委員会」

 55周年記念式典を開催し会への誇りを持つと共に、全ての人に感謝を伝えます。新順造館を記念事業として開催します。全体委員会で全メンバーを巻き込みメンバーの成長を促し地域に笑顔を伝播させます。

「青少年育成委員会」

 体験活動を通じて、これからの若狭を担う子ども達との交流を行い未来のリーダーを育成します。今の子ども達の価値観を知り我々との繋がりを構築し笑顔を未来に繋いでいきます。

「総務局」

若狭JCの活動が、円滑に行えるよう組織管理をすると共に、本会、北陸信越地区協議会、福井ブロック協議会の窓口となり積極的な参加を促します。

「55周年準備委員会」

誇りをキーワードとして、2025年に迎える創立55周年に向けて、今一度、青年会議所の意義や在り方を模索するとともに、55周年記念式典祝賀会の準備を行っていきます。

「姉妹JCとの交流について」

姉妹JCである豊岡JC、友好JCである吹田JCとの連絡調整は専務理事を筆頭に三役を窓口として行なっていきます。また、年間を通して、適宜、交流を行なっていきます。

副理事長は2名とし、理事長を補佐し、会全体と担当委員会の円滑な運営を促しながら副理事長同士の連携を図り、担当委員長の良き相談役として務めます。また、新たな事業については理事会等で協議し検討、決定します。