基本方針

2026年度 理事長 吉村 嘉英

最良の追及

すべての人が幸せになれる未来を目指して

はじめに

 1971年、この若狭の地に491番目のLOMとして、若狭青年会議所の前身となる小浜青年会議所が誕生しました。以来、新幹線誘致運動「若狭にひかりを」や、ビーチを作り出した「小浜に白い砂浜を」、多くの人々の交流を生み出すべく始まり、今もマリンピア花火大会として続いている「3万人の広場」、歴史ある三丁町の街並みを活かした「町屋deフェスタ」など、地域の発展と人々の幸せを願い、様々な運動が先輩諸兄姉の手によって展開されてきました。そんな先輩諸兄姉の活躍があったからこそ、この若狭JCは55年の永きに渡り地域の人々から必要とされる団体として続いています。56年目を担う私たちは、そのバトンをしっかりと受け継ぎ、更に次の世代へ繋げていかなくてはなりません。

 この若狭地域は古くから様々な地域との繋がりによって栄えてきたという歴史があります。日本海側の海路を南北へと繋ぐ中継地点として北前船の寄港地となり、京の都から最も近い日本海側の港町として大陸からの玄関口となり、鯖街道を通じて様々な人やモノが行き交い、この地に住む人々に豊かさをもたらしてきました。そして近い未来、北陸新幹線の延伸によって関西と北陸を繋ぐ地となるはずです。様々な地域と関わりが強い地域だからこそ、多様な考えを尊重しつつ、自分たちの地域が持つ独自性を守っていくことが必要だと強く思います。インバウンドの増加や新幹線効果によって、これから更に多くの人々が訪れるであろう今だからこそ、今一度この地に住む我々一人ひとりが地域の魅力を語り合い、理想の地域を想い描きましょう。そして、お互いを尊重しながら、経済的、精神的に充実感を得られるまちを目指しましょう。人々が、自らだけでなく、周囲の人々の幸せを願い、地域の幸せを願い、社会全体の幸せを目指し行動し続けることによって、誰もが幸せになれる未来に向けて少しずつでも近づいて行くはずです。

JAYCEEとしての成長

 JCには様々な魅力があります。LOMで地域に根差した活動をするもよし。出向をしてネットワークを広げるもよし。せっかく入会したからには、40歳までという限られた時間の中でJCというツールを存分に使い、普段はできない経験を積み、今まで接点のなかった人々と関わり、興味の無かった分野の勉強をし、自らの人間としての枠を広げ成長していきましょう。どのように成長していきたいのかは人によって様々だと思いますが、JCでならば望む以上の成長を得ることができます。

私たちJAYCEEの目指す、明るい豊かな社会の実現。そのためには、会員一人ひとりの成長が欠かせません。明るい豊かな社会とは、人々がそれぞれに思い描く理想の社会のことであると、私は思っています。ゆえにその姿は人によって違います。しかし、明るい豊かな社会というスローガンがあることによって、目指す方向性に大きな違いはないはずです。JAYCEEとしての成長とは、それぞれが想い描く理想に向かって少しずつでも進んでいけるようになることだと、私は考えています。活動を通じて成長した一人ひとりが、それぞれのやり方で明るい豊かな社会を目指す。そうすることで少しずつ実現へと近づいていくはずです。多くの人々と協力し、自らだけでなく周囲と共に成長し、明確な目的を持ち、はるかな先までを見据えながら、現実的なところから少しずつでも進んでいける。そんな人へと、JC活動を通じて成長していきましょう。

まちの成長と企業の成長

 私がJCへ入会した最も大きな理由は、経営者としての勉強になるとある先輩から誘われたからです。確かに、JCは会員の9割が経営者もしくは将来の経営者であり、そんな人々と活動していく中で、人との付き合い方や、物事の考え方など、様々なことを学ぶことができました。その中で強く印象に残っていることがあります。それは、入会して初めて参加した全国大会の卒業式、その卒業生代表スピーチです。「まちづくりはきれいごとではない。このまちで暮らし、このまちで商売をしている以上、まちが良くならなければ、自分の商売も良くならない。だからまちづくりが必要なんだ。」その様な内容でした。

 まちをつくるのは、そこに住み暮らす住民です。そして、そんな人々の暮らしを支えるのが、そこにある企業です。そうである以上、地域の企業が元気でなければ、地域の活性化もままならないと私は考えます。まちづくりというと、地域おこしのイベントをしたり、観光地を整備したり、といったことを思い浮かべる人も多いのではないかと思います。しかし、地域の企業がしっかりと商売を行うこともまちづくりだと思います。商売を通じて、お客さん、従業員さん、そして経営者自身を幸せにする。それこそが、まちを良くすることに繋がるのではないでしょうか。だからこそ、経営について学び、自社を発展させていくことが必要なのであり、そのための機会を提供することが、我々青年会議所の使命の1つなのです。今、世界はロシアのウクライナ侵略に端を発する物価高、米中間の緊張の高まりなど、先行きが不透明で混沌としています。我が地域に目を向けても、北陸新幹線のルート問題、人口減少、後継者不足など、課題が山積しています。そんな中だからこそ、目標や手段の正しさを絶えず問い直し、様々な課題を解消し、人々を幸せにできるように我々を含む経営者自身が成長していかなくてはなりません。経営者の成長は企業の成長に繋がり、企業が成長することで、まちの成長に繋がります。そして、まちが成長することで企業もまた成長する。そのような好循環を生み出すことができれば、人々の暮らしに余裕が生まれ、周囲の幸せと明るい未来を想い描ける人々が増えていくことでしょう。そんな未来を創れる経営者を目指していきましょう。

人々の「好き」で溢れるまち

 私は、春になると南川の川岸に現れる、いさざ漁の足場が並ぶ風景が好きです。母が時々買ってきてくれる、地元のパン屋さんのクリームパンが好きです。地域の魅力というと、特産品や伝統工芸、著名な観光地などを思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、私が想う地域の魅力というのは、何気ない日常の中にこそ存在します。あそこのお店が好きだ。あそこの景色が好きだ。あそこの店員は好感が持てる。そのような、地域の中に存在する様々な「好き」こそが地域の魅力であり、独自性だと思うのです。自分や家族を育んでくれたもの、友人と楽しい時間を過ごせる場所、自分にとっての安らぎになるものなど、一人ひとりに自分にとっての地域の魅力があるはずです。人々が、自らの想う地域の魅力を語り合い、尊重し合い、守り合うことができれば、それぞれの魅力が放つ輝きによって人々の幸せに繋がるはずです。その輝きは強さや色彩、形なども様々であり、だからこそ多種多様な人々の心を豊かにし、地域の独自性を形作っていくことになるのです。

 今後、この地域にはますます外部からの流入が増えてくるでしょう。人や資本、常識、価値観など、様々なものが入ってきた際に、地域に住む一人ひとりが、地域の魅力を想い、自ら守り、次代へ繋いでいくための行動を起こせるようになっていなければ、この地の魅力は1つ、また1つと消えていくかもしれません。しかし反対に、想いが受け継がれ、守られていくことで、また誰かにとっての「好き」になり、更に先まで受け継がれていきます。そして、自分の好きな地域を自分たち自身の手で守る。そんな想いを持った人々が増えることで、より多くの地域の魅力が守られ、次代へと紡がれていくことでしょう。それはこの地に住む私たちにしかできないことです。数多の魅力によっていつまでも光り輝き、多くの人々の幸せに繋がるまちを目指していきましょう。

JCを必要としている人へ届けよう

 私が入会したのは27歳の時です。当時の私は、将来会社を継ぐことに不安を感じていました。そんな時、仕事でも付き合いのある先輩から、経営者としての勉強になると言われJCに入会しました。現在も、不安がすべて解消されたわけではありません。しかし、事業承継に対し前向きに考えられるようになっています。活動を通じて得たスキルや人脈が自信となり、様々なメンバーと密に関わることで学んだ価値観や考え方が私を変えてくれました。もし、JCに入会していなければ、自分一人の考えに凝り固まり、誰も頼れる人がいないままで年齢だけを重ねていたかもしれません。JCはまさに、私にとって必要な存在でした。

 私のように、JCを必要としている人はきっといるはずです。自ら事業を立ち上げた人。会社の後継者。社会にアクションを起こしたい人。そんな人たちにJCを届け、運動の輪を広げていきましょう。人は人によってこそ磨かれます。様々な価値観、知識、経験を持った会員が増えれば増えるほど、会員の成長に繋がることは間違いありません。そして会員が増えるほどに地域に対して与える影響も大きくなります。折しも今、この地域は北陸新幹線のルート問題という岐路に立たされています。設立以来の悲願である北陸新幹線早期全線開業に向けて、更にその先の開業を見据えたまちづくりに向けて、1人でも多くの同志が必要です。

最後に

  私たちは何かを成そうとする際、常に複数の視点から物事を考えなくてはいけません。現在と未来、部分最適と全体最適、場合によっては矛盾することもある両者のバランスをとり、最良の道を探っていくことが必要です。なぜなら、社会は様々な繋がりによって成り立っており、個人だけや一つのまちだけで成り立つものでない以上、周囲をおろそかにして自分たちだけが幸福になれることなど有り得ないからです。自分たちの地域のことだけでなく日本全体、社会全体のことを考え、その中で自分たちの地域はどうあるべきかを考える必要があります。それは時間軸においても同様であり、目指すべき未来のために今、何をするべきかという視点が必要です。しかし、何が最良なのかは簡単にはわかりません。その時々の状況によっても左右されます。だからこそ、失敗の許される青年会議所において様々な挑戦をし、真剣に考えて、考えて、考え抜くという経験を積み、迷いながら成長することが必要なのです。それは苦しい道のりです。ですが、我々は1人ではありません。志を同じくする青年会議所の仲間がいます。1人では不可能なことも、仲間となら乗り越えられる。私はそれを他ならぬこの青年会議所の活動の中で学んできました。そして、共に困難を乗り越えた仲間は一生の友となり、青年会議所を卒業後も助け合える関係が続きます。これこそが青年会議所の真の魅力であると私は思います。

 論語に次の様な一節があります。

 子曰く

 吾れ十有五にして学に志す。

 三十にして立つ。

 四十にして惑わず。

 五十にして天命を知る。

 六十にして耳順(みみしたが)う。

 七十にして心の欲する所に従いて、(のり)()えず。

 これは、教えを説いた孔子が己の人生を振り返って語ったこととされています。それによると、我々がJCを卒業することになる40歳のころには迷いが無くなったとなっています。翻って私たちはどうでしょうか。私は、いまだに迷うことばかりです。しかし、そんな時にはこう考えます。「孔子の様な人でも、迷いがなくなるまで40年かかっているんだ。彼に比べればはるかに凡夫である自分が迷うなんて当たり前ではないか。迷いながらでも成長していけば、いつかは心の欲するままにしても道を間違えないという境地にたどりつけるはずだ。」

 さあ、思い切り悩みましょう。迷いましょう。それは困難に挑戦している証です。成長している証です。大丈夫。あなたには仲間がいます。共に悩み、共に歩み、共に成長していきましょう。全ては幸せな未来のために。

運営方針

 「JAYCEE力開発委員会」、「経営開発委員会」、「総務局」の1局2委員会を設置し運営していきます。また、若狭青年会議所の伝統である新順造館と喫緊の課題である会員拡大はそれぞれ独立した特別委員会を設置し、全会員が一丸となって取り組めるようにしていきます。

「JAYCEE力開発委員会」

 JCの持つ様々な魅力を広く会員に伝え、会員のJAYCEEとしての資質の向上を図る事業を行います。

「経営開発委員会」

 地域経済を支える企業のあり方を追求し、経営者としての心構えや資質を学べる事業を行います。

「総務局」

 若狭JCの組織運営を担当し、円滑な活動ができるように会全体をサポートします。また、対外事業の窓口となり参加を促進します。更に、対内版の広報誌を作成し、会員に対し様々な情報共有を行います。そして、HP、Facebook等により、対外に向けても活動を発信していきます。

「新順造館実行委員会」

 「ひとづくりこそ くにづくり」の理念に基づき第51回新順造館を開催し、多様な価値観を大切にしつつ、地域の独自性を活かしたまちづくりを目指します。

「拡大特別委員会」

 期首会員から30%の拡大を目標に、会全体を巻き込んでの会員拡大を行い、継続的に拡大し続けられる組織を作ります。

「姉妹JC・友好JCとの交流について」

 姉妹JCである豊岡JC及び、友好JCである吹田JCとの連絡調整は専務理事を筆頭に三役を窓口として行っていきます。また、年間を通して、適宜、交流を行っていきます。