基本方針

2022年度 理事長 藤原 徳人

共感
~当事者意識が地域を変える~ 

はじめに

 JCI若狭は4つの市町を活動エリアとしており、そのすべてが若狭湾に面し、とても美しい風景が広がっています。またそれぞれが歴史のある街並み、食、産業、文化、特産物など様々な魅力を有しております。小浜-京都を結ぶ鯖街道の福井県側最大規模の宿場町であった熊川宿、丹後街道沿いにある三丁町界隈は国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。またおおい町出身の直木賞作家である水上勉氏により開設された若州一滴文庫やアジアで初の国際環境認証「BLUE FLAG」を取得した高浜町の若狭和田ビーチなど、他の地域に誇れる数多くの宝を広域に渡り持ち合わせています。

 そのような魅力あふれるこの若狭で、一点の曇りもなくただ純粋に「自分たちのこのまちを愛し、このまちを少しでも良くしたい」という想いのもと、一心不乱に地域のために行動し続けてきた人たちがいます。それが我々JCI若狭の先輩諸兄姉です。修練・奉仕・友情の三信条のもと、己を磨き仲間同士が切磋琢磨しながら青年としての英知と勇気と情熱をもって運動を展開し、数々の功績をこの地に残されてきました。まさにこれこそが青年会議所の理念であり、中でも「若狭にひかりを」が地域に与えたインパクトは絶大で、昭和48年、かつて日本海側の一大市場として栄えた若狭が衰退したのは交通機関の発達が遅れたからだ、と3万人の署名を持って首相へ訴えかけ、北陸新幹線若狭ルートを勝ち取ったその情熱あふれる行動は、地域住民の共感を呼び、心をつき動かしました。

 そして令和2年、新幹線敦賀駅開業が間近まで差し迫ったところで未曾有の危機が訪れます。世界中を震撼させ、今なお猛威を振るい続けている新型コロナウイルス感染症の感染拡大です。社会経済は混乱し、人との接触に対し制限が設けられ顔を合わせて想いを語る機会も失われ、人と人との信頼関係までにも大きく影響を及ぼしました。私たちの地域でも、飲食業や観光業をはじめとする様々な産業が一向に出口の見えないトンネルをさまよい、存亡の機に立たされました。しかし我々は、このような満足に活動できない環境の中でも「今我々ができること」「非常時での青年会議所の在り方」を協議しながら新たな手法を用い活動を展開してきました。自社の社業に影響がある状況下においても「若狭にひかりを」運動のような情熱あふれる行動を地域に対して起こし続けています。

 このように混沌とした社会情勢の中でも活動を展開している我々ですが、青年会議所会員だけで持続可能な社会を実現するのは不可能です。だからこそ我々が熱き想いを語り、志を具現化し、行政や民間との間に共感を生み出し、手を取り合っていきましょう。それを可能にするのが青年会議所の強みだと思います。我々の想いが強ければ強いほど、その想いが地域へ伝播しより良い変化が生まれてくるに違いありません。青年会議所に在る無限の可能性を信じ、覚悟をもって若狭の未来を創造して行こうではありませんか。

持続可能な若狭の創造

 「若狭はどんなまちですか」と聞かれてどう答えるでしょうか。「理想のまちとはどんなまちですか」と聞かれれば、どんな姿を思い描きますか。おそらく性別や年代、立場によって様々な理想像があるはずです。多くの人は自身の興味のあることや生活の糧となる仕事に対しては一生懸命に取り組んでいると思います。しかし地域や社会問題、自然や環境問題に関してはどこかで無関心を装い、人任せになっていないでしょうか。

 「自分たちのまちは自分たちでつくる」という当事者意識をもって行動する、今まで目を背けていたことに対し参画することで、それらの問題は解決へと近づき、まちも活性化すると考えます。私たち青年会議所は、次代への変革者としてその時々の社会情勢から今何が求められているのかを考え、青年会議所のやりたいことをやるのではなく、今何が一番まちに必要なのか、何を求められているのかを追求し、まちづくりを進めていかなければなりません。

 地域をつくるのは「ひと」です。当事者意識を持った「ひと」が溢れ、まちのために行動し続けることができる、そのような地域こそが持続可能な若狭であると考えます。個性の違う志高いメンバーが結集することで生まれる英知と、困難に立ち向かい、臆することなく歩みを進めていく勇気と、自らが住み暮らす地域を愛し、より良くしていこうという情熱を持って、人々に共感してもらい、共に活動し意識の変化を促していくことによって持続可能な若狭の創造へとつながっていくのです。

 また昨年度、地域の垣根を越え結んだ姉妹JCとの交流を加速するのもその1つです。それぞれのLOMが持つ良さをお互いの会員が共有し、その活動に対する情熱を分かち合い地域への想いを共感しあうことで、お互いのLOMがより地域に必要とされる組織へと進化していくはずです。そのためには、まずはメンバーそれぞれが姉妹JCであることの重要性を理解し、当事者意識を持って交流していく事が必要不可欠です。そうすることこそが、お互いの持続可能な地域への発展につながっていくと信じています。

組織力の向上と個人の成長

 JCI若狭は創立以来、50余年にわたり明るい豊かな社会の実現のために運動を続けてきました。かつてJCI若狭に所属し熱く運動を展開された先輩方の努力は、故郷若狭の発展に大いに寄与し、組織の社会的な信頼が築かれました。そのおかげで、我々が明るい豊かな社会を実現すべく行う運動は、市民から受容されやすいという大きな利点を有しています。しかし、社会や環境、価値観、あらゆるものが激変していく中で、今後ともその利点を活かして地域社会に貢献し、志高い青年経済人に成長と発展の機会を与え続けていくためには組織力の向上は必要不可欠です。

 また、現在会員数が25名あまりという活動の中で数年後には半数のメンバーが卒業を迎えるという状況を考慮すれば、未来を見据えた持続可能な組織を構築していくことも重要です。そのためにも会員拡大の推進はもちろんのこと、会員のエンゲージメントを高めるべく意識の変化を促す必要があります。しかし、コミュニケーションツールの発達に加え新型コロナウイルスの影響で対面することに対しての制限がかかる等、様々な要因で現在会員同士のつながりが希薄になっているように感じます。また、会員は仕事や家庭や環境も様々であり、彼らに対する理解と信頼関係がなければ、個々の能力を最大限に発揮することができません。

 まずは若狭青年会議所に所属している会員一人ひとりを今まで以上に知り、繋がりを育む実践を日々の活動で行っていきましょう。そして会員同士のつながりを強固なものにすると共に、やりがいや個人の成長を実感できる機会を創出していけるように活動を展開していくことによって組織力が向上し、地域の発展へと大きく寄与することでしょう。

 我々はJAYCEEであると同時に青年経済人として企業や地域を牽引することの出来る存在でなければなりません。激変する情勢の中、それぞれのビジネスも大きく変化することを強いられており、時間も限られている中で最大限の効果を生み出すには、速やかな意思決定と迅速な行動、それにかかる組織運営の改革が必要でしょう。もちろん青年会議所として変えてはならない決まりごとや約束事もあります。優先すべきことは何か、重要なものは何かを見極め、時には文明の利器を積極的に活用しながら、持続的な組織力の向上を目指し活動していきましょう。

会員を増やそう

 私たちの運動とは、自分たちの組織内で完結するものではなく、多くの人々から共感を得て、共に社会をよりよくしていくものです。だからこそ、私たちと志を同じくする仲間を1人でも増やすことが大切です。全国的に会員数が減少傾向にあるなか、JCI若狭では近年多くの新入会員を迎え入れることができ、会員数は増加傾向にあります。今後も継続的な拡大運動を進めていくために必要なことは現状分析や効果的な手法を検討するといったハード面ももちろん大切なことではありますが、ソフト面である当事者意識を持つことが最優先事項であると考えます。拡大は決して担当の委員会だけで行うものではありません。会員全員が拡大における当事者であるという意識を持つことで行動へと変わっていくのです。そのためにも、まずはメンバーがJCの魅力や理念を個々に理解し、自ら積極的に活動へ参加する土壌づくりが必要です。達成感や面白さを感じ、能動的に活動するメンバーが多くなれば、その輪はどんどんと広がっていき、やがて全員による継続的な拡大運動が可能となります。

おわりに

 私が最も尊敬している人物である、パナソニック創業者の松下幸之助の自著伝にこういった言葉があります。

 『お互いに欠点というものはたくさんあり、何もかも満点というわけにはいかない。だから、自分の足りないところは他の人に補ってもらわなければならないが、そのためには自分自身が自分の職責を強く自覚し、その職責に対して懸命に打ち込むという姿勢が大切である。仕事に熱心であれば、おのずから職責の自覚が高まるし、職責の自覚があれば、人はまた常に熱心である。そうした自覚、そうした熱意は多くの人の共感を呼び、協力も得られやすくなる。』

 これは仕事において言っていますが、我々が行う青年会議所の活動においても全く同じことが言えるのではないかと考えます。目を背けている部分に対し誰かが解決してくれる、やってくれる、という「他人ごと」ではなく、「自分ごと」として捉え、会員としての自覚を持ち一生懸命に活動に打ち込めば、その熱意は周りの人々に伝播し、行動や意識の変化が生まれ、地域の発展につながっていくに違いありません。

 しかし「言うは易く行うは難し」という言葉がありますように、口で言うのは簡単ですが実行し、実現することはかなりの困難を極めます。それでも私はJCI若狭の仲間と一緒ならばどんな壁でも乗り越えていけると信じています。さあ、今こそ仲間とともにどんな困難をも恐れず突き進んでいきましょう。

運営方針

 「総務局」、「持続可能化委員会」、「組織力向上委員会」、「会員拡大特命会議」の1局1会議2委員会を設置し運営していきます。メンバー全員が一丸となって持続可能な若狭の創造を目指し、どんな困難にも立ち向かい突き進んでまいります。

「総務局」

 JCI若狭の組織を維持管理するとともに、総務、広報業務を行います。そして総会、理事会の効果的且つスムーズな運営を心掛け、凛とした会議に繋げます。またLOM全体の活動が円滑に運営できるよう各委員会をサポートします。その他、本会、北陸信越地区協議会、福井ブロック協議会の事業や対外事業の窓口となるのはもちろんのこと、会員としての自覚と成長を得られる「第71回全国大会」に参加する事業を行います。

「持続可能化委員会」

 このまちに住み暮らす人々の当事者意識を醸成し、持続可能な若狭の創造を目指します。そして「第47回新順造館」として「ひとづくりこそくにづくり」の理念のもと、地域を巻き込み地域と一体となった事業を行います。また姉妹JCとの交流事業を行い、お互いの地域の健全な発展を目指します。

「組織力向上委員会」

 会員相互のつながりを深め結束力を高め、やりがいや個人の成長を実感できる事業を行い、会員のエンゲージメントを高めることを目指します。また、「第49回卒業式」を感謝と尊敬の意を込めて盛大に執り行います。

「会員拡大特命会議」

 全メンバーが当事者意識を持ち、一丸となって会員拡大を行っていきます。また情報の共有や進捗状況の確認のための会員拡大会議を定期的に開催します。

 副理事長は2名とし、理事長を補佐し、担当委員会の円滑な運営に努めます。また、副理事長同士の連携を図り、全体の楔の役割を果たします。その他の事業、新たな事業については理事会等で協議しながら検討し決定します。